デジタル時代のペーパークラフト

←目次へ

0. はじめに

紙から立体を組み立てるペーパークラフトは、家庭で手軽に楽しめるホビーの1つとして多くの人々に親しまれています。 子供のころにワクワクしながら紙を切り、それを貼り合わせて工作を楽しんだ経験をお持ちの方も多いと思います。 薄っぺらな紙から3次元の形を作り上げる、ただそれだけのことが不思議と楽しく、完成したときの喜びはひとしおです。

ペーパークラフトには数十分でできる簡単なものから、非常に精密なものまで様々なものが存在し、子供から大人まで幅広く楽しむことができます。 大人になっても、やはり「ものをつくる」ということは楽しいものです。

さて、近年ではパソコンとインターネットの普及に伴い、ペーパークラフトのありようも大きく変化してきています。 昔はペーパークラフトの展開図を入手するために書店まで足を運ばなければなりませんでしたが、今では「ペーパークラフト」をキーワードにネット上で検索をかければ、ありとあらゆるペーパークラフトに関する情報を得ることができます。 最近では多くの個人サイトで様々な展開図が公開されていますから、それらをダウンロードすることで、家庭にいながら手軽に展開図を入手できるようになりました。 さらには、ペーパークラフト用の展開図を作成するためのソフトウェアも発売され、オリジナルの作品作りにもチャレンジできる環境が手に入るようになってきました。

今までは「与えられた展開図を切り取って組み立てる」という受身一方向の楽しみ方だけだったペーパークラフトが、デジタル化の進んだ現代においては、「自ら展開図を作り、それを発信する」という楽しみ方もできるようになったのです。

このコラムでは今後のペーパークラフトのより一層の普及を期待し、このような「デジタル時代」におけるペーパークラフトの姿についてまとめてゆきたいと考えています。

←目次へ