デジタル時代のペーパークラフト

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3. ペーパークラフト作家の世界

ペーパークラフトの展開図は、組み立て後の形を決定する重要なものです。ペーパークラフトは「紙」という平面を切って曲げ、貼り合わせることで目的の形を作り上げるわけですが、目的の形を実現するための展開図をデザインするのはそれほど容易ではありません。車や電車など、比較的平面の多い形は図学と幾何の知識が必要であり、動物や自然物などの曲面から成る形を作る場合は、単純な幾何問題としては解決できない、さらに難しい問題となります。

また、ペーパークラフトとして楽しむためには、多少なりとも形の「デフォルメ」が必要で、いかにして組み立てが楽で、なおかつ形の特徴を捉えた見栄えのするデザインとするか、ということが大きなテーマになります。ここには、職人技とも呼ばれる知識と経験に基づく技術が必要とされます。「ペーパークラフト作家」と呼ばれる方々は、このような技術と芸術的な感性を駆使し、独自のペーパークラフトをたくさん生み出しています。私たちがペーパークラフトを楽しむことができるのも、展開図をデザインしてくれる優れた作家の方々の活躍のおかげと言う事ができます。

ペーパークラフト作家のデザイン手法

作家と呼ばれる方々は、どのようにして展開図のデザインをしているのでしょう。ペーパークラフト作家の第一人者として名高い、ごとうけい氏*1の、ペーパークラフトのデザイン手法が、ジャストシステム出版部から出された「デジタルペーパークラフト*2」という書籍で紹介されています。ここでは、それを以下に引用します。ペーパークラフトの設計は、試行錯誤を伴う大変なものであることがわかります。


(a), (b) 形の作成 (c), (d) 展開 (e) 展開図のスキャンとトレース (f), (g) プリントと試作 (h) 完成  (デジタルペーパークラフト*2

ここでの紹介は一例に過ぎず、他にもCADなどのパソコンソフトを用いて設計をする作家もいらっしゃるようです。

現在活躍中の作家の方々

ペーパークラフト作家という職業はあまり認知されておらず、ペーパークラフトのデザインだけを本職とされている方は少ないようですが、優れた作品を世に多数送り出し、ペーパークラフトの分野で現在活躍中の作家の方々がいます。ここでは、このようなペーパークラフト作家の方の中で、特に個人のホームページを公開されている方を紹介します(敬称略、五十音順)。

参考文献・関連サイト

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