デジタル時代のペーパークラフト

←目次へ

2. 展開図の切り抜き:カッティングプロッターの登場

ペーパークラフトの展開図を準備できたら、ハサミやカッターで切り取ります。特に難しいことは無く、切り取り線に沿って切ってゆくだけですが、例えば「最初は大まかにざく切りをして、その後で細かいところを切ってゆくとよい」とか「はじめから全部切り取ってしまうと部品を無くしやすいので、必要なものから切り取ってゆくとよい」などのノウハウはあります*1

展開図の切り取りは、地道な作業で意外と時間のかかるものです。組み立て自体は楽しいけれど、展開図を切り取る手間がちょっと苦手・・、という方も多いのではないでしょうか。

市販されているペーパークラフトには、既に展開図が型抜きされ、後は組み立てるだけになっている「組み立てキット」形式のものもあります。(株)ポピーから発売されているアクションペーパークラフト*2は、厚紙が既に型抜きされていて、さらに組み立て後の関節が可動であるなど、プラモデル感覚に近いものがあります。

また最近では、2004年4月にグラフテック株式会社から「クラフトロボ*3」という家庭向けのカッティングマシンが発売されました。概観はインクジェットプリンタに似ていますが、インクタンクの代わりにカッターの刃が装着され、電子制御で動くことで、目的の形を自動で切り抜けるという便利なものです。今までは、機械で展開図を切り抜くことなど考えられないことでしたが、今では家庭で手軽に行える環境を手に入れることができるようになっています。


クラフトロボ CC100-20(グラフテック株式会社)*3

「パーツを組み立てて立体を作る」という、ペーパークラフトの本質的な楽しみだけは残しつつ、それ以外の展開図の入手、切り抜き作業などは、昨今のデジタル技術によって、非常に手軽になってきています。 そのうち、組み立てまで自動でやってくれるロボットができるかもしれませんが、それはちょっとさみしいですね。やっぱり、最後は自分の手で完成させたいですから。

参考文献・関連サイト

←目次へ